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売買の取消と解除

1.売買の「取消」と「解除」は、効果はどのように異なるのか

未成年者などの制限行為能力者が締結した契約は不完全な契約で、未成年者が買い手の場合は、一方的に売り手に通告して契約を取消すことができる取消権を持っています。売り手がこれを防ぐには、事前に親権者による同意を得ておき、完全な契約として取消権の行使ができないようにしておくことです。不完全なままの契約による取消しで売り手が被害を被っても、救済の手段はありません。

また、売り手か買い手のいずれか一方が、有効に締結された契約を解消し、売買契約によって生じていたお互いの権利義務を契約成立前の原状(元の状態)に回復する制度が「解除」です。

売り手から引き渡された商品が契約不適合であれば、買い手からの追完請求や、これに応じない場合の代金減額請求がされ、これが整わなければ契約を解除されるかもしれません。解除となれば、すでに商品が買い手の手元にあればそれを売り手に返却しますが、売り手も代金を買い手に戻さなければなりません。また、売り手に契約不適合の原因があれば損害賠償の対象にもなります。

ちなみに、改正民法では、それまでの損害賠償の額を、逸失利益(失った損害程度)から、履行利益(実現できなかった損害程度)にまで広がりましたから、さらに注意が必要です。

2.どんなときなら売買を取り消せるのか、解除できるのか

売買契約の取消しは、未成年者単独の契約など取消原因があれば、売り手に伝えることによって取り消されます。また、契約解除をするためには、古い民法では債務不履行について、当事者の一方に故意や過失の存在が必要でしたが、改正民法では、解除に相手方の故意や過失は不要となりました。

解除とは、契約不適合の場合に、買い手ができる代金減額、損害賠償、契約解除という選択肢の一つですので、買い手は、この権利を行使できることを知った時から1年の間に売り手に不適合を通知することになります。

また、そもそも買い手に責任がある場合や、社会通念(一般社会で通用する常識)に照らして軽微な不適合の場合には、買い手は解除することはできないことになっています。

3.売り手は、買い手に落札された商品の取引をキャンセルできるのか?

オークションの出品後であっても、まだ入札者(買い手候補)がいなければ利用規約上では、出品のキャンセルは問題ないとされているようです。民法の規定としては、募集期限を定めての販売が始まっていますから、撤回はできないとする考え方もありますが、この民法の規定は異なる内容の規約があれば規約が優先します。買おうかなという人さえ現れていない状態ですし、当然だれとも売買契約が成立していないから問題ないと考えられます。

ただ、一人でも入札に参加しているとなると、ほかに競争相手が現れなければ、時間経過とともに将来は売買契約が成立することになります。運営会社としても、出品者の評価など、ペナルティーを用意しているようです。ただ、法律的にはいずれの場合も売買契約は成立していません。

では売買契約成立後、つまり落札後に出品者がキャンセルできるかですが、法律的には、売り手(出品者)が一方的に契約解除を申し出ることは、やはりできません。それどころか、売り手は履行義務として、完全な商品を買い手に届ける義務があります。もし、出品者が検品したつもりが、その後汚れが見つかったり、出品した商品を紛失してしまったような場合であれば、商品の不適合となり、売り手の契約不履行として、買い手の請求に応じて、追完(完全な物を渡す)したり、代金を減額したり、解除したり、損害賠償をしたりということになるでしょう。

実際には、ヤフオクでは落札後でも出品者がシステム手数料を払えばオークションを取り消すことができる仕組みが用意されています。

4.取り消しのときの商品は返送される?送料は?

取消事由に該当し、その契約が取り消された場合、その契約は無効となり、最初からなかったことになります。よって、買い手は商品を返却し、売り手は代金を返却しますが、この場合の買い手が未成年者のときには、現存する商品を返却すればよいことになっています。つまり、丸々残っていればそれを、半分使ってしまった場合にはその残りを返却すれば足りるという制度です。

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