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商品の発送と売り手の責任

1 売り手が取引時の約束と異なる方法で商品を送付して、買い手の受領時に破損していた場合の責任はどうなるのか

これまでの民法では、売った商品に隠れた瑕疵があれば、契約時点にその瑕疵が存在していたかどうかが、売り手側の瑕疵担保責任とされてきました。改正民法では、この瑕疵担保責任という考えは廃止され、隠れた瑕疵に限定せず、あらゆる契約不適合について、その引き渡しの時点で不適合であれば売り手の担保責任となります。

売り手が、取引時にどのような方法を使って送付するかを問わず、契約不適合であれば債務不履行となります。売り手の担保責任として、買い手は追完請求、代金減額の請求、契約の解除ができるとしています。

ですから、売り手があらかじめ予告した配送や梱包の方法を守らず、これが原因で不適合な商品が届いたのであれば、売り手の債務不履行に該当し、買い手は損害賠償の請求さえも可能となります。

2.売り手が取引時に指定した方法で商品を送付したが、買い手の受領時に破損していた場合の責任はどうなるのか

売り手は、完全な商品を買い手に引き渡す義務を負っています。買い手に不適合な商品が届いた場合、買い手は、追完請求や代金減額の請求ができます。また、売り手に原因があれば、損害賠償も可能です。

たとえば、配送料金と配送方法についていえば、ネットショッピングのサイトでは、商品の配送料は売り手が負担することが多いようです。ですから、売り手は販売価格に配送料の一部や全部を含めて販売することがあります。当然その分商品の値段が高くなります。そこで、商品だけの値段にして買いやすくしておいて、配送先の遠近により変動する配送料を買い手の負担とすることがあります。通信販売などでよくある販売方法ですが、原則は任意規定ですから、お互いがこれに合意すれば構いません。

これに対してフリマアプリやネットオークションでは、商品の配送料は原則として買い手が持つことになっています。そこで、もし配送料を安くあげたいと考えた買い手が、配送方法や梱包を安いものに変更してほしいと申し出て、売り手もこれを了承して発送したが、届いた商品が破損していたという場合はどうなるのでしょうか。そうなる可能性が高いことを売り手が十分説明したのであれば、その契約不適合になった原因は買い手にあるということになるでしょうから、買い手側から商品の代金内で修理してほしいとか、契約解除を主張できないということになります。

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